はじめに
 『小倉百人一首』は7世紀半ばの大化の改新に始まり、13世紀初頭の承久の乱で終わる王朝時代の和歌を、王朝時代末期を生きた藤原定家が選択・編集したものだ。それだけに、今日の私たちから見れば必ずしも優れた作と言えないものもあるし、同じ作者でももっとよい歌もある。また、ここに選ばれた作者よりも、選ばれるにふさわしい作者も少なくない。ただ、この『小倉百人一首』ほど幾百年もの間、階級・階層や男女の区別なく親しまれたものはないだろう。